霊園ガイド特集記事|六月書房

霊園ガイドNo.74<発行日:2011年2月15日>より再録

良い建墓は、良い石材店選びから ~失敗しないお墓の建て方~

後悔しない建墓のために必要なこととは何でしょうか。
また、絶対に失敗しないお墓づくりのためには、私達はどのようなことを知っておくべきなのでしょうか。
現在、お墓づくりの現場では、実にさまざまなトラブルが起きています。建墓者と石材店とのトラブル、霊園との契約に起因するもの、お寺との揉めごと、等々……。
国民生活センターや全国の消費生活センターにも、消費者からの相談が毎日のように寄せられています。
しかし、それらのトラブルは、お墓づくりの第一歩である「石材店選び」の失敗に起因しているケースがほとんどであることが分かってきました。
今回の特集では、お墓に関するトラブルの具体的な事例と解決への道筋を示すとともに、トラブルに遭わないための「石材店選び」のアドバイスをご紹介します。

・商品知識を得る機会が少ない特殊な商品

これから建墓を考えている多くの方々にとって、お墓を建てるということは、おそらく初めての経験になるのではないでしょうか。お墓を建てる、また、霊園で墓所を購入するという行為は、家を建てるということと同様に、特別な場合以外、ほとんどの方にとって一生に一度しか経験しないと言っていいかもしれません。

同じ高額な商品の中でも、自動車や家電製品などどは違い、お墓は消費者側が商品知識を得る機会が極端に少ない特殊な商品であるということを、まず認識することが大切です。ましてや、家族や親戚が亡くなったなどの事情で急にお墓が必要になり、時間的な余裕がない中で購入を決断しなければならないような場合も多いと思われます。

近年は核家族化が進み、都市部では地域のつながりも薄れているため、お墓を建てようとする時、周囲に相談できる相手が誰もいないというケースもあるようです。

・お墓づくりは良い石材店選びから

自分や家族が最後に眠る場所となるお墓は、誰しも気持ち良く建てたいと考えているでしょうし、建てた後もそこで安らかに眠っている故人のためにも、トラブルに巻き込まれるたり、あとで後悔するような事態になることは、極力避けたいと考えていることでしょう。

本誌を手に取られている読者の皆様がお墓を建てようとする時、大きな助けとなるのが建墓の専門家である石材店です。石材店はお墓に使用する石材の種類や全体のデザイン、建墓に要する費用のことなど、お墓づくりに関するあらゆる面について、専門知識を持たない消費者側に適切なアドバイスをしてくれます。

その他、実際に施工工事を行なうことはもちろん、納骨や四十九日などの法要の手配、お寺への連絡、お墓の完成後に何らかの事故が発生した場合のアフターフォローなど、建墓にはなくてはならない存在です。

以上のことから、良い建墓を行なうためには良い石材店を選ぶことが、非常に重要です。では、そもそも“良い石材店”とは、どのような石材店なのでしょうか。

・“良い石材店”の条件とは?

良い石材店の条件とは、何でしょうか。日本全国でお墓に関わる石材店の数は、規模の大小合わせて、一万店余と言われています。ひと口に石材店といっても、それぞれに業態も違えば、会社ごとの特色もあります。

そうした中で、まず石材店を選ぶ時に注意しておきたい基本的な条件としては、以下のものが挙げられます。

 ○石材店としての歴史と長年の実績を有している。
 ○お客さまに接する社員の身だしなみ、仕事の態度、言葉遣いなどがきちんとしている。
 ○お墓に関する施主の要望をじっくり聞いて、できる限り相談に乗ってくれる。
 ○事前に「見積書」「完成図面」「各種契約書」を提示し、施主に検討の時間を与えてくれる。
 ○契約の締結や料金の支払いを急がせない。
 ○お墓に使用する石材の産地・品質・価格などについて、詳しく説明してくれる。
 ○建立後のアフターサービスや保証について、書面に明記されている。

その他にも、細かな点はいろいろとありますが、まず大まかな条件としては、このようなことが挙げられます。

もし、皆様のお近くにお墓を建てた経験のある方がいれば、そこから石材店の情報を得るのも、良い石材店を選ぶための有効な手段となるに違いありません。

本誌編集部内でも「仏事相談室」というフリーダイヤルのテレホンサービスを設けていますが、そこに寄せられる読者からの相談の中にも、上記のポイントのいずれかが欠落した石材店による建墓で、トラブルに見舞われて困っているという内容のものが少なくありません。

仏事相談室 0120-369-030

相談受付時間/平日(土・日・祭を除く)の午前10時~午後5時

霊園探し、墓石選び、また宗教やしきたりなど、仏事に関する無料相談電話を開設しています。そのほか葬儀や法要に関してもご相談にお応えします。
相談室で不明なものについては、社外の関係機関をご紹介いたしております。

優良霊園のご紹介も行っています。

お気軽にご相談・お問合せください。

・悪質な業者には注意が必要

数多くある石材店の中には、創業以来数十年から百年以上もお墓づくりに関わり、消費者側から大きな信頼を得ていて、安心して建墓をまかせることができるところがたくさんありますが、最近では不動産関係や葬祭事業などの異業種から参入した、歴史の浅い石材店も急増しています。その結果、業者間での競争が激しくなり、さまざまな問題を引き起こしています。

平成21年に大阪府の霊園で発生した「石材産地偽装事件」は、マスコミでも大きく取り上げられたので、御存知の方も多いはずです。その他にも、墓碑などの目立つ場所には注文通りの石材を使用し、敷石などには安価な石材を使ってごまかすといった事例もあるようです。残念なことですが、そうした悪質な石材店も存在しているのです。

お墓を建てようとする施主はもちろん、故人までも食い物にしようとする悪質業者の行為は決して許されるものではありませんが、消費者側がしっかりとした知識を身に付け、そのような業者に引っ掛からないように、充分に注意することが大切なのもまた事実です。

現在、お墓づくりの現場では実にさまざまなトラブルが発生しています。お墓や墓石に関する消費者側の認識不足によるもの、霊園との契約内容に起因すること、墓地を所有するお寺との揉めごとなど、その内容は多岐に渡ります。

消費者問題における中核的機関である国民生活センターや、全国に設置された消費生活センターの相談窓口には、毎日のようにお墓づくりにまつわるトラブルについての相談が持ち込まれているということです。

今回の特集の取材でお話を伺った、かながわ中央消費生活センター(神奈川県横浜市)県民部消費生活課グループリーダーの功刀広明さんによると、最近の相談内容の傾向として、一部の悪質な業者に詐欺まがいの手口でお金を騙し取られたり、代価に見合わない質の劣る墓石を購入されられたりした消費者からの電話が、少しずつ増加しているということでした。

「10年ほど前までは、自宅に訪問してきた業者から墓石や霊園を購入した方からの相談が多く寄せられていました。自宅にやってきたセールスマンによって即日契約を迫られ、その後、料金の返還やクーリングオフ制度の適用を巡ってさまざまなトラブルに発展するというケースですね。そうしたトラブルが頻発し、マスコミなどで取り上げられる機会が増えたことにより、消費者側の危機意識が高まりました。その影響で、墓石業界における訪問販売というスタイルそのものが下火になり、ここ数年で訪問セールスに関する相談はなくなりましたが、それにかわって、消費者の知識不足などに付け込んだ、悪質な石材店によるトラブルの事案が増加しています。中には詐欺としか思えないようなものもありますね」(功刀氏)

また、あわせて取材をさせていただいた国民生活センター東京事務所(東京都港区)情報部の担当者も、記者の質問に対して、

「ここ最近は、業者による墓石の産地偽装や瑕疵のカムフラージュ、それから、そもそも墓石を建立しないなどの悪質な事例が目立ちます」

と、話してくれました。

では、そのような悪質業者が引き起こすトラブルとは、どのようなものなのでしょうか。ここでは、本誌「仏事相談室」に寄せられた声と、都民からの苦情相談を受け付けている東京都消費生活総合センター、主に横浜市民からの相談を受けるかながわ中央消費国民生活センター、および、全国の苦情相談の情報を集約している国民生活センターへの取材を基に、トラブルの具体的な事例を紹介します。

  • 寺院の境内にある墓所を購入しました。
    契約時の石材店の説明では、そこは寺院の敷地内にあるが、檀家になる必要のない「宗教不問」の墓地だということでした。後日、墓石の建立のために工事をお願いしようとすると、寺の住職から、お墓を建てるのであれば、檀家になってもらわなければ困ると言われました。
    すぐに石材店に確認をすると「墓所の購入に際しては檀家にならなくても良いが、お墓を建てるには入檀の必要がある。墓石の建立まで宗教不問とは言っていない」という説明でした。とても納得できません。
    (50代・男性)

●アドバイス

小社の「仏事相談室」にも、上のケースと同様の相談が複数寄せられています。この業者はかなり手広く商売をしているようで、首都圏のみならず、関西地方からも相談の電話があります。

お寺の境内にある寺院墓地の区画を購入してお墓を建てるには、そのお寺の檀家にならなければなりません。寺院墓地は交通の便の良い場所にあることが多く、仏事を安心して任せられるため人気があります。しかし、檀信徒にならなければならないために敬遠されることが多いのですが、この業者は「宗教不問」と謳い、顧客を集めているようです。「墓石の建立まで宗教不問とは言っていない」とは、なんという屁理屈でしょう。誠実さを欠いたこのような業者とは決して契約してはいけません。

  • ある石材店を通じて、数年前に霊園の墓所を購入しました。建墓費用を早く支払った方が料金が割安になると言われたので、永代使用料を含めた代金約300万円を業者に振り込みました。
    それから一年ほど経ち、そろそろお墓を建てたいと考えて石材店に連絡をしたところ、全く連絡が取れず、その会社自体も無くなっており、お墓を建てることができず困り果てています。
    (60代・男性)

●アドバイス

施工工事をせずに代金を持ち去る、悪質な石材店による典型的な詐欺の手口です。

通常、石材店では契約時に手付け金(着手金)を受け取り、工事完了後の引き渡し時に残金を精算するという方法を採用しています。もし、工事が始まる前に全額前金を要求するような石材店があったら、上記の方法でしか契約できない旨を伝え、それでも全額要求するようなら、他の石材店を探した方が良いでしょう。納期に間に合わなくても、それは一時のこと。後々まで悩む事を考えれば故人も納得してくれます。

  • お墓の建立に際して国産の石材を注文し、その分の代金も支払ったが、霊園に搬入されたのは国産のものよりも廉価な韓国産の石材でした。
    もう石材店を信用できないので、契約を破棄したいと考えています。
    (50代・男性)

●アドバイス

この相談者の方は、自分が購入したお墓の施工工事の進展状況を確認しするために霊園へ赴いたところ、自分のお墓の建立のために用意された墓石の梱包材に、ハングル文字で品種が記載されているのを発見し、石材が国産のものではないことが分かったということです。

この方はすぐにその場で石材店の担当者にその点を指摘し、工事をストップさせたということですが、もし現場を押さえられなければ、この悪質石材店はそのままお墓を建立して、契約通りのものとして引き渡したに違いありません。

家の建築と同じく、工事の様子をチェックするのは良いお墓を建てるためにとても大事です。

たとえごまかしなどがなくても、施主が気に掛けてくれていると分かれば、石材店も良い仕事をしようと思ってくれるはずです。

  • 高価な国産石材を使用してお墓を建立する契約を交したが、完成したお墓を見ると明らかに石が違うように感じられました。石材の事に詳しい専門家に相談して確認してもらったところ、約束したものより質の劣る中国産の石材が使用されていることが分かりました。すでに納骨も済ませてしまっており、故人に対して申し訳ない気持ちでいっぱいです。
    (60代・男性)

●アドバイス

一昨年に大阪府で発生して広く報道された、「石材産地偽装事件」と全く同じ手口の事例です。これもやはり近畿地方の霊園での出来事ですが、大阪の事件が発覚するよりも、さらに二年前(平成19年)に、国民生活センターに相談が寄せられていたそうです。

この事例では、お墓を建立した石材店側も、
「石が違うとは知らなかった。自分も騙された」
と抗弁したそうですが、その後の調査で石材店の社内から、中国語で書かれた石材のラベルや輸入の際に使われた船便の荷札などが見つかり、石材店側も偽装を認めざるを得なくなり、差額の返金に応じたそうです。

しかし、差額分のお金を返してもらっても、お墓を取り替えることはできません。相談者の方の故人に対する想いは踏みにじられたままです。万一、建立したお墓でこうした偽装が疑われる時には、すぐに最寄りの消費生活センターに相談することをおすすめします。

  • 石材店に墓石の建立をお願いしましたが、完成したお墓を確認すると、注文した墓石と比べるとはっきりと色が違っていました。すぐに作り直してほしいと要求しました。
    (50代・女性)

●アドバイス

これは産地偽装ではなく、建立された墓石の色が、事前に提示されていた見本とあまりにも違うという内容の相談です。石は人工物ではないので、全く同じものはありませんが、それでも見本と商品に明らかな相違があると認められれば、交換や返金の対象になります。

  • 石材店から施工工事が完了したとの連絡を受けて霊園へ確認に行ったら、完成したばかりのお墓なのに、墓石にひび割れがありました。取り替えてほしいとお願いをしたのですが、なかなか対応してもらえません。
    (60代・女性)

●アドバイス

こうしたトラブルが発生した場合、まず契約書に同様のケースに該当する記載がないか確認します。そして、保証が付いていれば、その内容について双方で確認し、それに従って対応するよう交渉します。保証について明記されていない場合でも、建立後一年以内に発生した瑕疵であれば、社会通念上、石材店には保証の義務があると考えられます。

  • 寺院の敷地内にある霊園で墓所を購入しました。お寺に永代使用料を納めた後、そこでは墓石の施工を行なう業者が1社しかない事を知らされました。自分なりに施工をお願いしたいと考えていた石材店があったので、その業者ではお墓を作りたくありません。永代使用料を返還してほしいと考えています。
    (50代・男性)

●アドバイス

最近、全国の消費生活センターには、これと同様の相談が増えているそうです。寺院墓地のでは、お寺によって石材店が決められている場合がほとんどなので、注意が必要です。この事例では、石材店について事前に説明がなかったと訴える相談者と、石材店が決まっているのは常識だというお寺との間で、永代使用料の返還を求めて話し合いが行なわれ、結果的に寺院側が返金に応じたとのことでした。

気をつけなければならないのは、民営の霊園でも「指定石材店制度」によって、施主が石材店を選ぶ自由が制限されている点です。霊園を見学する前に、頼みたい石材店を選ぶ事ができるかどうか確かめておく事が必要です。

前章では悪質な業者が引き起こすさまざまなトラブルの実例と、その解決法をご紹介しました。では、そのようなトラブルに巻き込まれるのを未然に防ぐためには、どのようなことに気を付ければ良いのでしょう。

一般の消費者には、石材の品質や施工の技術といった専門的な事は分かりません。契約書を交すといった経験も、そう多くはないはずです。悪質な業者はそういった消費者の弱点に付け込んで、質の劣る墓石を販売したり、契約書に複雑な条項を盛り込んだり、あるいは口約束だけで曖昧なままごまかそうとするのです。

・悪質石材業者の見分け方

悪質な業者の簡単な見極め方としては、まず安易な値引きをする石材店は避けるべきです。

その理由は、簡単に値引きをするということは、最初の価格提示がそもそも法外なものだった可能性が高いということと、施主に分かりにくいところや見えない部分で、部材の原価や職人の手間賃を下げようとしていると考えられるからです。例えば、墓所の基礎工事をしっかりとやることは、完成後のお墓の耐久性に大きく関わる大事な要素ですが、お墓が建ってしまえば見えない部分であるため、悪質な業者の手抜き工事を防ぎにくいのです。基礎工事がいい加減だったために、施主が後々深刻な苦労を抱え込むといった事態にもなりかねません。

・代金の支払いを急がせる業者は要注意

契約や代金の支払いを急がせる石材店も要注意です。27頁でも書いたように、消費者の立場に立って考えてくれる良い石材店であれば、必ず検討のための充分な時間をとってくれるはずだからです。「早めに代金を支払ってくれれば割り引きします」などと言ってくる業者とは、絶対に契約をしてはいけません。

また、他社が作成した図面で工事を進めようとするところも、悪質な業者と考えて良いでしょう。これは例えば、あなたがすでにある霊園で、石材店側から墓石の完成図面を提示してもらっていて、次に見学した別の霊園で墓石業者に、「これは他の石材店の提案ですけど、こんなお墓をイメージしています」と話した時、それに対する回答が「うちならこれと同じものを70%の価格でつくりますよ」というものだった場合です。これも相当にタチが悪い。

他者と同じ案で進めるといったこと自体、モラルの問題もあり、通常はあり得ません。それに他社と同じものなのに価格が安いというのは、どこかで手抜きをするということです。このような業者は、工事も適当に行ない、後日トラブルになる可能性が高いと言えます。

お墓を売ることばかりを考え、施主の家の宗旨宗派を無視する業者も信用できません。施主が信仰する宗教のことを考えないというのは、先祖の供養や、身近な故人のことも考えていないというのにほかなりません。前章の実例にもあったような「墓所を購入するのは宗派不問だが、墓石を建てるのには寺の檀家になることが必要」などといった屁理屈は通らないのです。

お墓は死者を供養するためのものです。その供養の心を持たない墓石業者は言語道断です。

・長年にわたる信頼と実績のある石材店は安心

施主の要望に誠実に対応してくれて、施工技術も確かな、お墓づくりを安心して任せられる石材店を見分けるための方法ですが、やはり、長年にわたって墓石事業に従事し、数多くの建墓実績がある石材店は、信頼できると言えるでしょう。長くその地域に定着している石材店は、それだけ消費者側の信用に見合うだけの仕事をしてきたと言えます。

お墓は親から子へ、子から孫へと代々継承されていくものですから、施主の信用を得ているということは、石材店にとって最も大切な事だからです。そうした業者は、アフターフォローや保証などについても、しっかりしたサービスを行なっているはずです。

また、建墓実績が豊富な石材店は、石材の加工や工事についてのノウハウが蓄積されているため、施主のさまざまな疑問や相談にも、的確に答えてくれるでしょう。施工技術も確かですから、難しい注文や少々無理な要望も引き受けてくれるかもしれません。

31頁でも述べたように、民営霊園や寺院墓地では、あらかじめ石材店が指定され、決められた業者で墓石を購入しなければならないケースが多くなっています。そのため、霊園や墓地を検討する際には、自分の希望に合った石材店が選べるかどうかを事前にチェックすることが必要です。信頼できる石材店を選ぶことが、満足できる建墓への近道です。

こんな石材店から買ってはダメ!
  • ●最初に提示した価格から安易な値引きをする
    • ⇒もともとの提示額が暴利を見込んだ金額か見えない部分でごまかす可能性が高い。

  • ●代金の支払いを急がせる
    • ⇒住宅詐欺などと同じく、支払いを急がせる業者には問題があると考えた方が良い。
       最悪の場合、施工工事が行なわれない事も。

  • ●他社の提案のまま進めようとする
    • ⇒石材店としてのモラルが欠けている。
       他社より安い価格を提示する業者は、手抜き工事などの手段で価格を下げている。

  • ●施主の信仰する宗教を軽視する
    • ⇒お墓が先祖や身近な故人を供養するためのものであるという、石材店としての根本の部分で認識が欠けている。

  • ●建墓後のアフターケアの約束があいまい
    • ⇒お墓は建てたらそれで終わりという訳ではない。アフターフォローについて、明確な保証がなければならない。

「○○石材店という会社に、お墓の施工工事をお願いしても大丈夫ですか?」

「△△石材店の見積もりが高すぎると思う。悪徳業者ではないのか?」

今回の特集の取材でお話を伺った、国民生活センターの担当者の方に「お墓や霊園について、いちばん多い相談はどのようなものですか?」

と質問をしたところ、冒頭のような内容の相談が最も多く寄せられているという答えが返ってきました。もちろん、国民生活センターや全国の消費生活センターは、個別の企業の善し悪しについて判断する機関ではないので、その種の相談には答えられないのですが、お墓という精神的なものに関わる墓石業界が、それほどまでに消費者側から信頼を失っているのだとしたら、それはとても悲しいことです。

お墓参りをする時、私達は故人の事を想い、墓石に向かって手を合わせます。そうした祈りの対象である墓石が、ごまかしたり、手抜き工事によって建てられて良いはずがありません。

お墓は建てたらそれで終わりではなく、何十年も使い続けるものです。その間、家と同様に傷みが生じて、修繕をお願いすることがあるかもしれません。家族が亡くなり追加で戒名の刻字を依頼するかもしれません。お墓の移転(改葬)をしなければならないかもしれません。石材店選びは、そうした後々までのお付き合いのことも考慮した上で行なうべきなのです。

・お墓参りに行きたくなるようなお墓は…

以前、石材店で長年お墓づくりに関わっておられる方からこんな話を聞いたことがあります。

「家族がお墓参りに行きたくなるようなお墓、うちが一番と誇れるような良いお墓は、施主さんがお墓づくりに参加してくれて初めて出来上がる」と。

お墓を建てる施主の方が積極的に関わることで、初めて良いお墓ができるのだというのです。

「急いでいるから、すぐできればいい」
「お金が無いから、安ければいい」

といったスタンスでは、決して心から満足できる建墓とはならいでしょう。

これから建墓を考えている皆様が、本誌に書かれたことを参考に、良い石材店を選び、良い建墓をされ、そして、完成したお墓が満足のいくとても素晴らしいものになることを、願ってやみません。


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